【39】 さわら
高原のうえの行くとき一つ樹の さはら老いつつ立てるを見たり
(斎藤茂吉)
常緑高木。
高さ30〜40m、
直径1m以上となり、岩手県の早池峰山
を北限として本州と九州の一部に分布する。土壌湿度の
高い肥沃な所を好み渓流沿いに多い。木曽の五木の一つ
である。ヒノキによく似ているが葉が細く裏面の白斑が
V字型になっているので区別できる。庭園樹、生垣とし
てはヒノキよりも広く用いられている。材質はややヒノ
 キより劣るが水湿に耐えるので桶類をつくるのには良い。
材質はやや軽粗のため障子の骨等に使用される。一時
住宅公団の風呂桶はこの木に決っていたが大量の需要が
あったため、材の供給が伴わず辺材(シラタ)部分まで
使用したため、数年で水漏れするようになり、全部がプ
ラスチックの風呂に変更されてしまい、名古屋営林局管
内熱田営林署では一カ年半分の滞貨で苦しんでいたが昭
和40年9月からの建築材の暴騰ですっかり売却でき、私
の同級だった署長は安堵の胸をなでおろしていた。心材
のみ使用していればこんな事にはならなかったのだが。

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