【62】 なつめ
子供らがつかまるようになり棗の樹       幹すべらかに年ふりにけり              (三ケ島葭子)
 落葉高木。
 時には10mにもなる。中国北部の原産。日本にも古
くから渡来し庭に栽培される暖帯樹。万葉集に出てい
て延喜式には乾棗が献上された事が書かれている。春
に枝の先端が側芽に黄白色の花が葉腋に群生して咲き
その後初夏になってようやく芽をふくのでナツメと呼
ばれる。                    
 果実は肉質2cmくらいで赤茶色に熟した実を生ず。
生あるいは乾燥して食べる。平安時代から菓子として
使われた。また薬用で乾棗、または大棗と呼ばれ、日
 に干したものを蒸し再び干したもので甘味があり利尿、
強壮剤にする。                 
 点茶用の茶入れの一種「なつめ」は形が棗の実に似
ているところから名づけられた。幼時近くの菓子屋に
この木があって、その家は女の子ばかりで木に登って
の取り役は私の役目であった。リンゴ似た味の甘酸っ
ぱい味が忘れられない。             
 材は版木、木櫛、車両に使用する。大阪のうどんす
きで有名な美々卯の玄関にも植えられていて下草のそ
ばの花とよく合っている。            

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